Corcovado メロウなボサノヴァのリズムと切ないメロディーが心に響く

「Corcovado」は、アントニオ・カルロス・ジョビンの作曲による、ボサノヴァの代表曲の一つです。この曲は、リオデジャネイロにあるコルコバード山を題材にしており、その雄大な景色と静寂を音楽で表現しています。メロウなボサノヴァのリズムと切ないメロディーが心に響き、聴く者の心を穏やかにさせてくれます。
作曲家:アントニオ・カルロス・ジョビン
アントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim, 1927-1994)は、ブラジルの作曲家、ピアニスト、歌手です。ボサノヴァの創始者の一人として知られ、「世界で最も美しいメロディーを作曲した男」と称されました。彼の音楽は、ジャズやクラシックの影響を受けながらも、ブラジル独特のリズムとメロディーを融合させた独自のスタイルを確立しました。
ジョビンは、若手時代から音楽活動を開始し、多くの楽曲を発表しました。「Chega de Saudade」「Garota de Ipanema」など、彼の作曲した曲は世界中で愛聴され、ボサノヴァの黄金期を築き上げました。
作詞家:ヴィニシウス・デ・モライス
ヴィニシウス・デ・モライス(Vinicius de Moraes, 1913-1980)は、ブラジルの詩人、劇作家、外交官です。ジョビンと親交があり、多くのボサノヴァの作詞を担当しました。「Corcovado」の歌詞も、彼によって書かれました。モライスの詩は、恋愛や自然、人生について深く考察したものが多く、彼の感性豊かな言葉がジョビンの音楽と絶妙に調和しています。
「Corcovado」の歌詞と解釈
「Corcovado」の歌詞は、コルコバード山の頂上からリオデジャネイロの街並みを眺めている様子を描いています。その美しい景色を前に、恋する人のことを思い出し、切ない想いを歌っています。
英語歌詞 | 日本語訳 |
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Quiet nights and quiet stars | 静かな夜と静かな星々 |
Quiet chords from my guitar | ギターの静かなコード |
Floating on a midnight breeze | 真夜中のそよ風に乗って漂う |
Cool air, sweet dreams | 涼しい空気、甘い夢 |
歌詞は、シンプルながらも美しい情景描写で、聴く者の心を惹きつけます。ジョビンの音楽とモライスの詩が一体となって、静寂の中に漂う切ない恋心を表現しています。
「Corcovado」の演奏と歴史
「Corcovado」は、多くのアーティストによってカバーされています。特に有名なのは、スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトによる1964年の録音です。彼らの演奏は、ジャズとボサノヴァが見事に融合したものであり、世界中の音楽ファンを魅了しました。
アーティスト | 年 | アルバムタイトル |
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スタン・ゲッツ & ジョアン・ジルベルト | 1964 | Getz/Gilberto |
フランク・シナトラ | 1967 | Francis Albert Sinatra & Antonio Carlos Jobim |
エリス・レイノルズ | 1968 | Ellis on Bossa Nova |
「Corcovado」は、ボサノヴァの代表曲として、世界中で愛聴され続けています。そのメロウなメロディーと切ない歌詞は、時代を超えて多くの人々に感動を与えています。